「箱根で民泊は儲かるのか」——おそらく、この記事にたどり着いた多くの方が一番知りたいことでしょう。結論から言えば、十分に収益を狙えます。ただし、どこでも誰でも同じ数字が出るわけではありません。
この記事では、私たちが実際に箱根で運営している物件の数字を包み隠さず公開した上で、その収益を「再現するために何が必要なのか」を正直にお伝えします。煽るためでも、諦めさせるためでもなく、冷静に判断していただくためです。
年間売上1,500万円を、分解してみる
売上は「ADR × 稼働率 × 365日」で決まる
売上の構造は驚くほどシンプルです。ADR(1泊あたりの平均単価)× 稼働率 × 365日。これだけで年間売上が決まります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| ADR(1泊あたりの平均単価) | 年間平均 約7万円(ハイシーズン10万円超/閑散期5万円台) |
| 稼働率(通年) | 55〜60% |
| 営業日数 | 365日(旅館業の許可を取得した物件が前提) |
| 年間売上 | 約1,400〜1,500万円 |
| 経費率 | 約40% |
| GOP(手残り) | 約900万円 |
私たちの箱根強羅の物件では、ADRは年間平均で約7万円。ハイシーズンには1泊10万円超、閑散期は5万円台まで下がり、ならすとこの水準です。稼働率は通年で55〜60%。
計算すると、ADR約7万円 × 稼働率55〜60% × 365日 = 年間売上 約1,400〜1,500万円に着地します(この稼働率は旅館業(簡易宿所など)の許可を取得した物件を前提としています。住宅宿泊事業法の届出民泊では年間営業日数が180日に制限され、同水準の稼働・売上には届きません)。
箱根という立地が、高単価を支えている
この数字には、はっきりとしたカラクリがあります。箱根は世界的に知られた観光地で、インバウンド客が「Hakone」で検索して直接たどり着く。
欧米のファミリーやグループは、ビジネスホテルに3部屋分かれるより、一棟貸しに全員でまとめて泊まる方が「安い」と感じます。円安局面では海外客にとっての体感価格が下がり、割安に映りやすい。この「箱根という立地の力」が、数字の土台にあります。
稼働率は「上げすぎない」方が儲かる
「値下げで稼働を追う」より「高単価 × 適正稼働」
意外に思われるかもしれませんが、稼働率を追いかけて値下げするのは得策ではありません。試算すると一目瞭然です。
| パターン | ADR | 稼働率 | 年間泊数 | 年間売上 |
|---|---|---|---|---|
| 値下げで稼働を追う | 4.5万円 | 75% | 273泊 | 約1,228万円 |
| 高単価・適正稼働 | 7万円 | 57% | 210泊 | 約1,470万円 |
差は歴然です。しかも稼働率を上げれば清掃回数もゲスト対応も増え、経費が膨らむ。高単価・適正稼働率のバランスを保つ方が、手残りは大きくなります。
ハイシーズンに安売りするのはお金を捨てる行為であり、逆に閑散期の平日は無理に2万円まで下げるくらいなら空室のままの方がマシ——このダイナミックプライシングの感覚を掴むのに、私たちも1年以上かかりました。
最初は「とにかく埋めたい」と安売りに走り、清掃費とOTA手数料で利益を食い潰す、売上は増えるのに残高が減る、資金繰りが悪化するパターンも経験しています。
閑散期は「早めの割引」で押さえる
閑散期の集客は「早め早めの割引」が一択です。特に外国人ゲストは旅行の日程を先に決めてから宿を探すので、閑散期に入ってから慌てて値下げしても手遅れになりがち。2〜3ヶ月前の段階で価格を下げておく方が、よほど効果的です。
また、以前は49,800円を最低単価にしていたら客層が変わってしまったことがあり、今は54,800円以上を下限に設定しています。
動的価格調整はPriceLabsというツールで月5,000円ほど。以前は毎日手動で価格を調整していましたが、今はほぼ自動任せで、頭が随分楽になりました。
連泊率という、見えにくい利益源
もう一つの隠れた利益源が連泊率です。箱根のインバウンド客は平均2〜3泊し、箱根を拠点に鎌倉や横浜へ出かけます。
3泊連泊なら清掃も対応も1回で済み、同じ売上でも経費が大きく圧縮される。見た目の稼働率が高くても1泊客ばかりの都市型物件より、利益率はずっと高くなるのです。
GOP900万円の裏にある、終わらない仕事
利益は「ゲストの感動」へ再投資する
年間売上1,500万円から経費率約40%を引いた手残り(GOP)が約900万円。この数字だけで判断されがちですが、実際に重要なのはここからです。
建物は劣化し、競合の新しい物件が次々現れる。ADR7万円という高単価を5年、10年と維持するには、稼いだ利益をどう再投資するかという冷徹な判断が要ります。
やってはいけないのは、利益を運営と無関係な支出に回すこと、そして逆に「手残りを増やしたい」とシャンプーを安物に替えたりタオルの交換を減らしたりすること。こうした安易な節約はレビュー評価を下げ、収益基盤を崩しかねない判断です。
正しいのは、OTA手数料(売上の約18%)や清掃費(1回1.2万円)といった大きな変動費を管理しつつ、残った利益を「ゲストの感動」に再投資すること。
「Webで集客するだけで18%か、なかなかいい商売してるな」というのが正直な感想ですが、OTAの集客力は本物なので、手数料をコストと割り切った上で、高単価と直接予約の両輪で回す設計が必要です。
この数字は「掛け算」――一つ欠けても届かない
年間売上1,500万円の裏側にあるのは、「箱根という立地の力」「インバウンド需要と円安」「高単価戦略」「連泊率」「再投資の判断」という複数要素の掛け算です。どれか一つが欠けても、この数字にはなりません。
物件選びを誤れば立地の力は働かず、価格設定を誤れば高単価は維持できず、運営が雑ならレビューが落ちて稼働率が崩れる。「ADR7万円×稼働率57%」を自分の物件で本当に再現できるのか——それを冷静に見極められるかどうかが、最初の分岐点です。
だから多くのオーナーは、地元のチームに託す
ここまで読んでいただければ、「数字は本物だが、片手間では再現が難しい」ことが伝わったはずです。だからこそ多くのオーナーは、物件の見極めから価格戦略、運営、再投資までを、実績のある地元のチームに任せます。
私たち日本不動産は、箱根で2棟・大田区1棟・福岡で10部屋の宿泊事業を自社運営する、神奈川の不動産会社です(ADR約7万円/稼働率55〜60%/一棟年間売上 約1,500万円/GOP 約900万円)。この記事の数字は、私たち自身が出している実績です。物件取得から建築・融資のご相談(金融機関のご紹介)・運営管理・売却(宅地建物取引業に基づく仲介)まで、ワンストップでお引き受けします(完全成果報酬型)。
「この物件で、本当にこの数字が出るのか」——その見極めから、お気軽にご相談ください。
※本記事中の数値(ADR・稼働率・売上・利回りなど)は当社の運営実績の一例であり、物件の立地・状態・時期や市況によって異なります。将来の収益を保証するものではありません。許認可・税務・融資・補助金などの専門領域は、提携する専門家・金融機関と連携してご案内します。
評価保証つき:当社が運営する物件で、主要予約サイト(Airbnb・Booking.com等)の評価が★3.0以下となった案件は、その案件の運営手数料をいただきません(天災等の不可抗力による場合を除く)。それだけ、評価を維持する仕組みに自信があります。
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